ワインおたくの夫と食べること大好きな妻の貧乏暇無し日記。フランス・ロワール地方でぶどうの有機栽培とワイン醸造に挑戦しています。


by maisey

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海のチカラ

暑い暑い南仏での収穫の後はビーチに直行です。
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ワイナリーから車で10分ほど走ると真っ青な地中海が広がるビーチに出ます。
水温はちょうどよく塩分の高い海にプカーッと浮かんで火照った体を冷やすのは極上の幸せ...

実は収穫を始めてからあまりにも大量の汗を流したからか、腕や膝の裏、脇、ビキニラインなど肌がこすれる体の箇所全てがかぶれてしまったのです。
女性用の普通のパンツはゴムがかぶれた箇所にあたって痛いので数日間ほどオットのパンツを借りて履いていたほど(!)ひどかったのですが、仕事の後海で泳ぐようになってからは肌のかぶれがスーッと引いて今ではすっかり治りました。
海、恐るべしです。
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そしてもう一つの海の力と言えばやはり海産物。
近くの港町セト(Sète)には毎日朝6時から午後1時までやっている屋内マルシェがあり、多彩なシーフードが売られています。
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シチューにするタコ、南蛮漬けにする鯵(だと思う)、お昼のパスタ用にムール貝(1キロ2.80ユーロ)とフライにして塩とレモンで食べようと買った小魚を買ってウキウキ気分で帰宅しました。

ただ、生のタコを調理したことはあっても捌いたことは無かった私...よく分からずに茹で始めたら墨がブワーっと出てきて大変なことに。
同時に南蛮漬けを作る準備をしていたのでちょっとしたパニック状態になり、知らないうちにフライにしようと思っていた(そして一番楽しみにしていた)小魚の入った袋をゴミだと思い、口を縛って捨ててしまっていました。
翌日オットがゴミを出しに行ってからその事実に気付き、悔しいと同時に慣れない料理をする時は何品もがんばって作ろうとするもんじゃないなあと反省したのでした。
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by maisey | 2009-08-29 22:00 | フランスの日々

新しい言葉

一体誰がこんなにミュスカを植えたのか...
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呆れるほどミュスカがたくさんあるフロンティニャンでの収穫は今週でやっと半分を越えたところです。

さてある日のこと。
いつものようにオットと二人一組になってぶどうを摘んでいると、畑のオーナーのお父さんで時々手伝いに来る白髪のおじいさん(70代くらい)がぶどうを運ぶトラクターでやって来ました。
ちょうど私が立っていた列を走ってきたのでどこうとすると、何やらホニャララ分からないことを言って「そのままでいい」という感じで手を挙げました。
フランス語が分からないのはいつもの事だし、言葉が分からない時は「笑って頷け」がモットーの私は笑って頷き仕事を続けました。

するとエンジンを切ってトラクターから降りてきたおじいさん。
そして今度は私でも分かるフランス語で「今私はここの地方の言葉で話したんだよ」と言って笑いました。

ここフロンティニャンを含め地中海に面した南フランスの地域はラングドック=ルシヨン地域圏(Languedoc-Roussillon)と呼ばれています。
そしてラングドックという名前はかつてオック語(Langue d'Oc)が話されていた地域だったことからきています。

しかしスペインとイタリア間の通り口として人の流れが多かった為、今でも根強く地方の言葉が残るアルザスやブレトンと違ってオック語を話せる人はあまりいないとか。
おじいさんの子供たちも孫たちもオック語は話せません。
それでも町や通りの名前は今でもフランス語とオック語両方で表示されています。
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ちなみにトラクターに乗ったおじいさんが私に言ったのは「おチビさん、動かないで!」というオック語だったのです。

おじいさんは「pichòta(おチビさん)はちょっと失礼だからma nina(愛しい人/ダーリン)と呼んだ方が良かったんだろうけど」と言ってオットを指差し「でも君はこの人のダーリンだからね」とお茶目に笑いました。

さて今日はゆっくり休んでおチビは明日からもがんばります。
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by maisey | 2009-08-23 23:01 | フランスの日々

Vendage à Frontignan

1週間前から収穫の仕事が始まりました。
記念すべきフランスでの初仕事はモンペリエから車で40分ほどのFrontignan(フロンティニャン)というミュスカ(マスカット)の産地です。

フロンティニャンのミュスカと言えば甘口のデザートワインが有名なのですが、辛口ワインも作られています。マスカット特有のフルーティーな甘い香りがバーンときて、でもその後は深みがないというか面白くないというか、私もオットもあまり好きではないこの品種が私たちがフランスで初めて摘むぶどうとなったのはちょっと皮肉なのですが、そんなことは言ってられません。
早めに始まる収穫の仕事を見つけられてラッキーでした。

それにしてもとてつもなくキツいです。
1年間カナダのぶどう畑で働いていたけれどこんなにキツい仕事は多分したことがない。

まず暑さが半端でない。
朝7時から始まって1時間のお昼休みをはさんで午後は3時くらいまでなので労働時間はフランスゆえに短めなのですが、午後のフロンティニャンは人間が働くべき状況じゃないです。涼しい地下室で昼寝でもするべき。
ピカーっと晴れた地中海の青空。昨日は38度を記録したとか...

ちなみに一緒に働いている人たちは:
とてつもなくタフな初老の夫婦
飛行機が怖くて今まで飛行機に乗った事のないマッチョな青年
地獄のような暑さの中でも一日中かしましくしゃべりまくる地元の女の子たち
過去3年で80キロ減量した(らしい)おばさん

などなど老若男女ですが、真面目に働く人もいれば怠け者もいます。
それに仏語のしゃべれないカナダからの夫婦が加わったなんだかおかしな集団が、一日中何度も何度も休憩を取りながら、みんな頭から水をかけたりしながらせっせとぶどうを摘むわけです。

この情景を画像でお伝えできればいいのですがなにせ写真を撮る余裕が全く無いので、昨晩の夕飯(ラム肉とプルーンのタジン)の写真でも。
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途中でサフランの瓶をぶちまけて泣く泣くテーブルの上に散らばったサフランを手で集めたりしましたが休日の料理は楽しいものです。
味付けはにんにく、しょうが、サフラン、シナモン、蜂蜜と香菜ぐらい、とシンプルですが肉がフォークだけでホロッと崩れると幸せを感じます。
パリのモスクで食べたタジンをイメージしてゆで卵も入れてみました。
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by maisey | 2009-08-16 15:27 | フランスの日々

ロデブはどこだ

ロワールで1週間半仕事探しをした結果、収穫の時期まで仕事はないと判り、急に2ヶ月ほどブランクが出来てしまった私たち。
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お金がたくさんあったらスペインにでもイタリアにでも遊びに行けたのですが、このまま2ヶ月貯金を切り崩してしまうわけにはいかない貧乏旅行の私たち夫婦のプランBはフランスの南に行って、ロワールよりも早く始まる収穫の仕事を探すことでした。

ちょうど友達の友達がモンペリエから北に1時間ほどのロデブという町に住んでいて、この辺りのワイナリーは早くて8月半ばから収穫をすると言うし、彼が所有するアパートを格安で貸してくれるというので、南下することにしました。

ロデブといえば、手作りのパンが好きな人なら誰でも知っている(であろう)高橋雅子さんの著書「少しのイーストでゆっくり発酵パン」にロデブというパンがあります。
加水量が非常に多く、こねずに数回パンチを入れながら6〜7時間ゆっくり発酵させるため、大きな気泡が入りしっとりみずみずしいクラムが出来る、というパン。

私も「いつか作ってみたいなあ」と思いつつも「面倒くさそう」が先攻して一度もトライしたことはありませんでした。

ロデブという名前はフランスの田舎の地方名がそのままパンの名前になってしまった、と言われているぐらいなので、ロデブに到着するまでどんなに美味しいパンのパラダイスが待ち受けているのだろう、とワクワクを越えてちょっとした運命すら感じていたのです。

さて、町に到着した翌朝、さっそくロデブという町で作られているロデブというパンを求めて町のパン屋さんに行ってみたのですが「ロデブ」というパンはどこにもありません。

そりゃ、地元の人たちは昔から当たり前のようにある伝統のパンにわざわざ自分の町の名前をつけて呼ばないよね、と推測し、高橋雅子さんの本の写真を思い出して大きな丸っこいパンを探してみるのですが...判らない...
もしかしたら本場ロデブでは形も違うのかもしれない...
となると、ヒントとなるのは「加水量が非常に多い」ということぐらい。
しかし私の仏語力では加水量80%のパンはありますか、なんてとてもじゃないけど説明できない...
そこで出来るだけ素朴っぽい、ずっと昔からこの町で食べられてきたっぽいパンを買ってみましたが、家で切ってみると気泡が小さいので明らかに違う。

今度は土曜日のマルシェで量り売りされていた気泡の大きいパンを買ってみました。
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"à l'ancienne"(昔ながらの)とか書いてあったし買っている人も多かったので期待は膨らむばかり。
食べてみると...確かにクラムはしっとりとみずみずしいのだけれど、強いサワードウの味がする。
ロデブは酸っぱいなんて誰も言ってないから...多分これも違う。

その後もあらゆるパン屋さんで「田舎パン」と称したパンを買ってみるものの、普通のパンだったり不味いパンだったり...
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ロデブは小さすぎるので、逆に大きな町のマルシェにあるのでは、とわざわざ30分運転して出向いた町では↓のような明らかに違いすぎるパンを買う始末(これもサワードウの味)。
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結局「これがロデブかあ」と納得できるパンに出会わないままロデブを出ることになってしまいました。
食べた事も見た事もないものを探すというのは難しいなあと実感したのでした。

ロデブがフランスでは何と呼ばれているパンなのか、何をヒントに探せば良いのかご存知の方、教えてくださーい!(諦めてない)

これから1ヶ月半ほどモンペリエに滞在しています。
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by maisey | 2009-08-12 00:52 |

オリビエ・クザン

クロード・クルトワを紹介してくれた友人がもう一人紹介してくれたのがAnjouのオリビエ・クザンでした。
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Martigné-Briandという小さな町に迷いに迷って予約の時間から30分ほど遅れて着いた私たちでしたが"C'est pas grave"(大したことないよ)と言って町の下り坂をスタスタ歩き始めたオリビエ。

白髪の混じったヒゲと長いポニーテール。
お祖父さんの代から除草剤など一切使わずに自然農法で育てられてきたぶどう畑を25歳の時に引き継ぎ、お祖父さんと同じようにトラクターを使わずに100%馬で畑を耕すという、これまたすごい人なのでした。
でも本人は自分のしていることが「すごい」かどうかなんて気にした事もないようなのんびりした雰囲気を醸し出しているのでした。

彼がまず私たちを連れて行ったのはぶどう畑でもセラーでもなく野菜畑でした。
日本やカナダの丁寧に整えられた家庭菜園を見慣れていた私はオリビエの雑然とした畑に少しびっくりしましたが、野菜たちはとても元気に育っていました。
日本で買った青しその種を蒔いたが"shiso"のスペルが分からなかったから袋の日本語をそのまま写したんだ、と言って小学生が書いたような「青しそ」という名札を見せてくれました。
なかなかお茶目な人のようです。

それから鶏小屋から卵を二つ取ってズボンのポケットに入れると、彼が飼っているがちょう、アヒル、そして馬を見に行きました。

その後やっと彼の家に戻ってテイスティングルーム(というか倉庫?)でワインを試飲する流れになりました。
そして「試飲」と言っても彼のシリーズ全てを飲み比べするのではなく、白とロゼのスパークリングを開けてくれ、日本の雑誌に特集された切り抜きを見せてくれたりなんかしているうちに「お腹が空いたからお昼にしよう」と言って、赤ワイン2本を手にして家の中に入ることになりました。

とてもフレンドリーな奥さん作ラタトゥイユとクザン作目玉焼きとこんがり炒めたじゃがいもを、これまたフレンドリーなお子さん二人を交えてごちそうになったのでした。
サラダがサーブされ、チーズがサーブされ、コーヒーで長いランチを締めくくった後、オリビエが若い馬に仕事を教えるというので見に行くことに。
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若いぶどうの木の横に生えた雑草を取る為に馬に農耕具を取り付け、馬を一直線に走らせる訓練でした。
馬を使って畑を耕すというと馬が全部仕事をしてくれるような気がしますが、馬が引っ張る農耕具をしっかり掴んで付いていく人間も大変!
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余所見しがちな若い馬に声をかけながら馬の後ろを走るオリビエを「大変そう」と思って見ていると、一列走り終えたオリビエの満足そうな笑顔を見て、この人にとってワインを作るという事は頭の中にあるビジョンを追い求めるのではなく、何かもっと違うことなのかもしれない、なんて思いを巡らせたりしたのでした。
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なんだかワイナリーを訪ねて行ったのに、結局ワインの話はあまりしませんでした。
ランチと一緒に飲んだワインも実は「美味しかった」ことぐらいしか覚えていません。
でもオリビエのどっしり構えた落ち着きと満足感のような雰囲気がワイン作りにも表れているような気がしました。冒険的でありながらしっかり見据えた判断が底にあるようなワイン作りをしているのではと思わせるのでした。

ロワールでこうしたワイナリーを訪ねてから、ワインおたくの妻はワインおたくそのものになってしまうのではないかと思うほど、ワインが面白いと思うようになってしまいました。
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by maisey | 2009-08-06 19:03 | ワイン

ワインの神さま

この2週間、いつでもネットが使える状況ではなかったので更新が随分遅れてしまいました。
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パリを出発してからまずロワール地方で1週間半、自然派のワイナリーを中心に仕事探しをしました。
合計で10カ所ほど訪ねましたが同じ「自然派」と言えどもそれぞれ哲学やワインの作り方は随分違い、色彩豊かなワインメーカーたちに出会えたのは貴重な経験となりました。

例えばクロード・クルトワ
友人に紹介してもらい、つたない(というよりひどい)フランス語で電話をするとその日のうちに迎えてくれました。

友人はクロードのことを「ワインの神さまバカスが少しの間地上に下りてきた」と表現しましたが、まさにその通りの人でした。

大きな体、モジャモジャの髪の毛とひげ、低い声、そして握手に差し出された手の固いマメ。
ワインメーカーというよろも世離れした芸術家のようです...
それもそのはず、クロードは周り(例えばビオディナミの規定)に振り回されず自分の信じる栽培・醸造方法を貫く、そしてそのためにはどんなに大変な労働も惜しまないというフランスで初めて訪ねたワインメーカーとしてはあまりにすごすぎる人だったのでした。

クロードに挨拶をした後は20代の息子エティエンが数々の樽からワインを試飲させてくれました。
クロードのワインは今まで味わったこともないようなワインでした。
必ずしも「美味しい」ワインばかりではありませんでしたが「自由」そして「純粋」という言葉が似合う、クロードという人柄がそのまま表れているようなワインでした。

そして試飲が終わるとクロードが昼食を一緒に食べていかないか、と誘ってくれ、奥さんのクロディーンの美味しい昼食をごちそうになりました。
スタッフの一人が私たちに英語で話しかけてきたことで英語嫌いのクロードが怒って席を立ってしまった(!)ことを除いては楽しく和やかな時間を過ごせました。

クロードは芸術家気質というか、平たく言えば気性が荒いことで有名なようですが、それと同時に私たちのいきなりの訪問に本当に寛容に、そして丁寧に対応してくれました。
このギャップからまたギリシャ神話の神さまをふと思い浮かべてしまうのでした。

***

結果から言うと、今の時期ロワールではぶどうが熟すのをひたすら待つだけなので今すぐ始められる仕事は見つかりませんでしたが、私もオットもロワールの風景、町並み、ワイン、そして何よりも暖かく個性的な人々に魅せられて、収穫の時期になったらまた絶対に戻って来るぞと誓ってロワールを後にしました。

今は地中海近くのロデブという町に滞在しています。
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by maisey | 2009-08-02 23:51 | フランスの日々

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