ワインおたくの夫と食べること大好きな妻の貧乏暇無し日記。フランス・ロワール地方でぶどうの有機栽培とワイン醸造に挑戦しています。


by maisey

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ロワールでのおしごと

時が流れるのは速いものでロワールに来てから1ヶ月が経とうとしています。

到着してから収穫の仕事が忙しく、またネットが身近にないのでブログも随分と放ったらかしになってしまいました。先週やっと収穫が終わり、さてやっとブログを更新できる、と思ったものの、あまりにいろいろあったこの1ヶ月をどうやって文章にまとめようかと思うと悩んでしまいます。
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私たちが1ヶ月仕事をしたのはテュアルセという小さな村にあるラ・サンソニエール農場(La ferme de la Sansonniere)という小さなドメーヌでした。
オーナーのマーク・アンジェリはビオディナミの代表的生産者として日本のワイン愛好家の間でもたいそう有名な人なのですが、実際に会って一緒に仕事をしてみるとどこかで書かれていた「ビオ界のスーパースター」という名称がどうも似合わない人でした。
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(↑マークの写真というと「闘魂」と書かれた日の丸のハチマキを頭に締めて収穫している姿の写真しか撮らなかったので本人の名誉のためヒグチワインさんより格好良く写っている写真をコピーさせて頂きました。)

まずマークは本当によく働く!
もともとプロヴァンスの石職人だった彼はまず第一に職人であり農夫であり、お金をもらって雇われた私たち誰よりも懸命に働く姿がとても印象的でした。
マークの収穫方法は割と面倒くさいプロセスだったし、クタクタになってもまだ終わらせてくれなくて心の中でブツクサ文句を言いながら働いた日も何度かありましたが、一番懸命に働くボスの姿を見ると雇われている身としてもしっかりやらなきゃと思うのでした。

そしてマークのもったいない病ぶりも印象的でした。(笑)
現在使っているプレスは原始的な手動のプレスを自分で液圧式に改造したものだし、開けたワインのコルクは「断熱に使えるから」(何の?)と言い、とっておく。
またガソリンがもったいないから車も目的地の10mほど前でエンジンを切りギアをニュートラルに戻し、走っている勢いを利用して車を滑らせて到着するほど(このテクニックはオットも何度か試してみたけどなかなか難しいらしい)。
見ているとつい笑ってしまうもったいない病のテクですが、マークの物や資源を大事にする姿勢を目の当たりにして、私たちも使えるものを捨てたりお湯を出しっぱなしにして食器を洗う日常を見直すようになりました。

ここまで書くとマークが単なる変わったおじさんのように思われてしまいそうなので少し真面目な話も。。
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マークが20年前にロワールに移り住みビオディナミ農業を始めた頃は同じことを試みる者は周りに誰もいなく、変わり者と思われながらも信念を貫き、実験と失敗の連続でやっと辿り着いたのが彼の現在の農業方法なのだそうです。
そんな彼はビオディナミ農法を周辺のドメーヌに勧めたり講演を行ったり、また自分のぶどう畑が買えない、でもワインを作りたい、という若者たちに土地を貸してワイン作りが軌道に乗るまでお手伝いをするという先生のような存在でもあります。

実際私たちがぶどう栽培の歴史が浅いカナダを離れてワインの本場フランスにわざわざやって来たのもマークのような人の元で仕事をし学ぶことが目的だったので、仕事の内容は誰にでも出来る「収穫」ではありましたが、マークの働き方を身近で見てたくさん質問をして本当に勉強になりました。

フランスに来てからあちこち転々として来た私たちですが、これから冬・春とこの付近に留まることにしました。
ワーホリのビザが切れる5月末まで目一杯学びたいと思います!
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by maisey | 2009-10-29 01:17 | ワイン

緑の光線

今回のバスクへの旅、景色も食文化も素晴らしかったのですけれど、私にとってはもうひとつ特別な思い入れがありました。
それは滞在先のお宅から10分でSt-Jean-de-Luzという港町に行けてしまうということから来ていました。
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私が大学で映画を専攻していた頃、同級生とあらゆる映画や監督について熱く語っていた頃から今まで変わらず大大大好きなのがフランスのエリック・ロメールという監督です。

この人の作品は長ったらしい会話や三脚にカメラを乗せて撮っただけのようなシンプルな(というか誰にでも撮れそうな)画を思い浮かべる人も多いでしょうが、人間の本質、矛盾、滑稽さと美しさをこんなに上手く描ける監督はいないのではないかと思うくらい私にとってはツボにはまる監督さんです。

そして私が初めて見たロメールの映画が「緑の光線」(1985)でした。
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恋に奥手な主人公デルフィーヌは人一倍理想が高く「恋は積極的に探すべき」という周りの助言にも耳を貸さず、真実の愛をひたすら頑固に待ち続けるタイプ。

友達のドタキャンにより夏休みを独りで過ごす事になってしまった彼女はフランスのあちこちに出かけては理想のバカンスとのギャップに嫌気が刺してパリに舞い戻って来てしまう。そんな彼女が大西洋側のリゾート地、ビアリッツに出向いた際ふと耳にした「緑の光線」の話。
それは太陽が沈む最後の光が光の屈折によって緑色に見えるという現象で、その光を見た者は幸せになれるという...

そして映画のラストでデルフィーヌが訪れる漁港、そして彼女が緑の光線を見ようとする場所がSt-Jean-de-Luzなのです。
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私のロメールおたくぶりのおかげで「緑の光線」を何度か見ている(見せられている)オットと共にSt-Jean-de-Luzの海岸を歩いてはひとつひとつの風景を切り取って見て「あ!あれあれ!あの展望台だったよね!」とか「日没を見るんだったらどのベンチに座ってたと思う?」とか、ロメールおたくは巡礼を満喫したのでした。
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そして映画にも看板だけ登場する「緑の光線」という名前のお土産屋さんも発見してテンションあがりまくり!
看板は映画のものより新しいけど、偶然にしては出来すぎている!
お店の人に確認するためにどうでもいいお土産(展望台の形の楊枝入れ)を買って「あのう、このお店、映画に出ていましたよね?」と聞くと、「ああ、ちょっとだけだけどね。えーと、あれは60年代だったかな?」と、あまり熱心でない(しかも間違っている)返答でしたが、一応真偽確認できてまたまたテンションがあがりました。

これで太陽が地平線に落ちるときに緑の光線が見えちゃったらどうしよう?と思ったのですが、この日はあいにくの曇り空。
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澄んだ大気でないと緑の光線は見えないらしいので、あきらめました。

私がフランスの文化に興味を持つきっかけとなったロメール映画のロケーションを巡礼できて本当に本当に良かった。
これに調子づいた私はフランスのあちこちで撮影をしたロメールの他の映画のロケーションも訪ねたい!と密やかに企んでいるところです。

おまけ:St-Jean-de-Luzにはこんなお茶目なギャラリーもあり、ロメールおたくの胸は熱くなったとさ。
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by maisey | 2009-10-12 18:48 | フランスの日々

バスクでお料理教室

ロワールに来てから1週間半が経ちましたが、毎日収穫と蔵での仕事に追われてずっと更新が出来ませんでした。昨日お仕事は一段落ついて今日はお休みなのでインターネットを求めて隣町までやって来ました。
もう大分時間が経ってしまいましたが、バスクの旅の続き・食編を少し書きたいと思います。

バスクは食の豊かさで有名です。
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エスプレット村の赤唐辛子、バイヨンヌの生ハム、子羊のチーズ、黒さくらんぼのコンフィチュール、ガトーバスク...と「バスクに来たからには食べておきたい」名物は数えきれません。

牛、豚、羊、鶏、果物、野菜...とバスクで育てられないものはないのではないかと思うほどバスクは農業が盛んだし、それに加えて海には魚が、山には野鳥やきのこがあるのですから食文化が豊かにならないはずがありません。

私たちがお世話になったご夫婦も野菜を作り、鶏を飼い、山ではきのこや栗、木の実を集め、夏には野菜を缶詰めにし果物でコンフィチュールを作り、冬には鴨を捌いてフォアグラ、パテ、コンフィを作って保存する、というまさにDIYな食生活をしています。
そしてこのご夫婦が特別グルメなのではなく、お友達(注:仕事は農業と関係ない)も毎年豚を一匹買って家族で解体し、自分たちでハムやソーセージ、ブーダン、パテなどを作るとのこと。

滞在先のご夫婦とお友達ご夫婦2組が加わって食事をする機会がありましたが、とにかく食べ物の話題の多いこと!
リッチで重い食事の後に「子供の頃、牛の脂身とにんにくのパテをパンに塗って朝ご飯に食べていた」とか私なんかは聞いただけでウッとなってしまいそうになるノスタルジックな話が延々と続きました。
本当にみんな食べる事が大好きなようです。

私も1週間の滞在中ここぞとばかりにお料理上手の奥さんを質問攻め。(笑)
お酢の作り方からカラメルの火加減やタイミングなどを聞いているうちに奥さんも「今日はクレープを教えてあげる」とか「コカ(バスクのプリン)を作るから見ていなさい」なんて教えてくれるようになりました。
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そして私たちがバスクを出る2日前、奥さんがカスレを教えてくれました。
カスレはフランス南西の料理で豆と豚肉、ソーセージ、鴨のコンフィなんかを一緒に煮込む料理でオットの大好物でもあるのです。
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レシピを教わったと言うよりも目で見て覚える、という感じで書き留めたメモもとてもおおざっぱな作り方しか書いていませんが、思ったよりも簡単で今までバンクーバーのレストランで食べてきたカスレとは比べ物にならないほど美味しかったのです。

私たちの最後の夜は一晩置いたカスレを焼いた子豚と一緒に苦しくなるまで食べました。
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でも美味しいカスレを作るにはちゃんと鴨のコンフィが作れるようにならないと...と出発直前にコンフィの作り方を訪ねるしつこい私に奥さんは「1月には何をしているの?」と聞きます。
相変わらず予定は未定な私たちが「さあ...」と曖昧に答えると、1月になったら鴨を捌いてその年の分の保存食を作るから見に来なさい、とのこと。

思いがけない招待に嬉しくなったと同時に鳥恐怖症の私は果たして鴨を丸ごと解体することが出来るのかちょっと心配になったのでした。
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by maisey | 2009-10-08 19:18 |

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