ワインおたくの夫と食べること大好きな妻の貧乏暇無し日記。フランス・ロワール地方でぶどうの有機栽培とワイン醸造に挑戦しています。


by maisey

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美しい人からストーブを買う

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フランスで新生活を始めることになって、家具やら家電やら一式揃えることになって大活躍したのがle bon coinという個人売買情報サイト。

写真と文から商品のコンディションを判断し、値段も良さそうだったら売り手に電話をして問い合わせ、直接見に行く約束をして、実物を見て、値段交渉をして、買い取る。

私たちはで le bon coinで随分買いものをしたけど、中古品の売買を通じて色んな人に会うから面白い。


その中でも印象に残っているのは薪ストーブを売ってくれた人。


夕方6時半以降に来て欲しい、と言われて行ったのはアンジェの郊外のちょっと高級な住宅地。


教えられた住所の家を見つけて、大きくて綺麗な家のベルを押すと、予想していたよりもはるかに若い女性が出てきた。


短いボブの髪に長く垂れたピアスが印象的な可愛らしい人。

きれいな服を着てハイヒールを履いた彼女は
「ごめんなさいね、仕事から帰って来たばかりでバタバタしてて」
と言って、キッチンで2歳くらいの女の子にごはんを食べさせている。


薪ストーブのあるリビングに通されると、広々として、シックで、すごい良さそうなビンテージのアンプとか、置いてあるもののひとつひとつに高級感ただよって、段ボールの箱がいくつか置いてあった以外はちょっと良いホテルのスイーツ(行った事ないけど)みたい。


女性は私たちに薪ストーブを見せてくれようとするのだけど、彼女がキッチンを離れると一日中ママが恋しかったのだろう女の子がぐずりだす...


私たちは時間もあったし、待つのは全然平気だから、と女性にキッチンに戻ってもらってしばらく二人でストーブを見せてもらうことにした。


外面はオリーブグリーンというか、ちょっと渋い緑色の陶器製。
小さいけれど良さそうなストーブ。


しばらくして、女性はごはんを食べ終えた女の子を抱っこしてリビングにやって来て、ストーブの使い方について説明してくれる。

そして
「引っ越しをするから使えなくなるのだけど、すごく良いストーブよ。
 私たち、このストーブの前で随分たくさんの時間を過ごしたわ」
と言った。


私たちはストーブを買い取ることにして、私は外に留めた車にお金を取りに行った。


その間にオットが
「きれいな町ですね。またこの近くに引っ越しされるのですか?」
と聞いたそう。


すると
「いいえ、都市に戻らなきゃいけないの。
 彼氏と別れたから、この家を出なければいけなくて」と。


なんか聞いちゃいけないことを聞いて焦ったオットは
"C’est dommage…"(それは残念ですね)
と、唯一知っている慰めの言葉を言うと、


彼女は肩をすくめて
"C’est la vie."(人生ってそんなもんよ)
と言ったらしい。


そして私たちはお金を払って、ストーブを車に乗せた。


すっかりご機嫌になった女の子を抱っこして、女性は
「これでこの冬はあなたたちも暖まるわね」
と、微笑んで言った。


それから毎日、我が家はこの薪ストーブにお世話になっています。


そして時々、"C'est la vie."と肩をすくめた彼女のことを考えるのです。
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by maisey | 2010-11-29 03:53 | フランスの日々

buttage

収穫が終わって、本格的に冬になる前にぶどうの樹の根元に土をかぶせます。
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これをbuttageといいます(ちなみにbutteは小さな丘という意味)。

ぶどうの芽が出てくる春は雑草との競争が一番肝心な時期です。
冬の間に土をかぶせて、春になったら盛られた土をまた列の真ん中にひっくり返します。
こうして樹の根元周辺に生え出す雑草をきれいにとってやることができます。
(春の作業の詳細はこちら

ちなみにこの作業、トラクターや馬でやるのが一般的ですが、私たちはトラクターも馬もない。
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その代わりに、庭仕事に使われるミニ耕作機を使ってやります。
一人が耕作機を運転して、もう一人が馬用の犂で後ろからついて行く。

文字通り、二人三脚の作業なので写真が撮れなくて残念ですが、作業のイメージは↓。
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耕作機に馬の代わりをしてもらいます。

大変な作業だけど、巨大なトラクターで土を潰すことはないから、私たちの畑はいつもふかふか。

でも今の面積が限界かな。。
面積増やしたらトラクター買わなきゃな、と思っています。
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by maisey | 2010-11-23 20:05 | ぶどう畑・冬

ボジョレー sans soufre

今日は11月の第3木曜日!
去年もそうでしたが、今年もそろそろかな、とぼんやり思っていたらスーパーの片隅にヌーボー発見。
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しかもラベルがやたらと日本を意識してるような...
と思うのは私だけ?

ボジョレーといえば、1ヶ月ほど前に初めてマルセル・ラピエール(Marcel Lapierre)のモルゴンを開けました。
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(なぜか写真のグラスに泡が付いてますが、これはビール。。)
彼は自然派ワインのリーダー的存在であり、私たちの周りにも彼に影響を受けた生産者はたくさんいます。

このワインを買った時、お店の人に「亜硫酸無しのボトルにしますか?それとも亜硫酸入りにしますか?」と聞かれた。

ワインショップでそんなことを聞かれたことは今までなかったのでびっくりしてしまいました。
同じワインでも亜硫酸無し・入りを選べるなんて「食後はコーヒーになさいますか?それとも紅茶?」のような感覚?(ちょっと違うかな)

日本の輸入元のサイトにもありますが、マルセル・ラピエールは醸造過程で酸化防止剤としての亜硫酸を一切加えません。
しかし長時間の移動や輸出を考えると亜硫酸一切無添加のワインというのは不安定でリスクを伴うので、瓶詰めの際に「顧客の要望に合わせて」少量の亜硫酸を加えるそうです。

でもフランス国内では亜硫酸全くの無添加バージョンも買えるんですね。
お店のスタッフに聞くのを忘れたけど、どちらの方がよく売れるのかな。
個人的には、開けてびっくりになりかねないsans soufre(亜硫酸無添加)よりも、微量の亜硫酸で安定したワインの方が...と思ったのだけど、オットの熱い要望により無添加のものをお買い上げ。

ちなみに初めて飲んだラピエールのワイン、開けてすぐの感想は「ふーん」という感じでした。
しかし時間が経つごとにどんどん香りが開いてきて、詳しい味や香りは忘れてしまったのですが(だめ)空気に触れれば触れるほど美味しくなって瓶が空く頃にはすっかり虜になっていました。

ちょうど私たちも初めての収穫の真っただ中だったから、良い刺激をもらったというか、私たちもいつか...!なんて図々しく興奮したり。


そしてそんな風に彼のワインを楽しんだ数日後、マルセル・ラピエールが闘病の末亡くなりました。
60歳の若さにして...残念です。
心からご冥福をお祈りします。
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by maisey | 2010-11-19 05:56 | ワイン

週末に、ちょっとポルトまで

去年のちょうど今頃。

収穫の仕事が終わって、剪定の仕事が始まる前、なんだか暇を持て余して、ちょうど物寂しい季節だったし、ちょっとどっかに行きたいね、とトゥールの空港から出ている格安チケットを検索したら、ポルト行きの飛行機が出ていました。
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ポルトといえば、ポルト酒で有名なポルトガルの都市。
それまで行きたいと思ったことも、行ってみようかと考えたこともなかったけれど、格安で行けるのなら、と週末にふらりと飛んで行きました。
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特に何をするでもなく、写真すらあまり撮らず、ぶらぶら歩いたりしただけだったのでブログにも書かなかったのだけど、なぜか一年後の今、やっぱり収穫が終わって剪定が始まる前のこの季節、ポルトでの週末を思い出します。

その思い出すことと言ったら、映画の全体の内容は忘れちゃったけど頭に残るシーンみたいに、断面的で、鮮やかな記憶なのです。
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着いた日の夕方、タイル画が有名だという中央駅を見に行って、そこでなんとなく大勢の人が電車に乗ったり降りたり、待っていたりするのを見て時間を過ごしたこと。
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夕飯時なのにお客さんが絶えないお菓子屋さんで、いくつか焼き菓子や揚げ菓子を買い食いしたこと。

なにげなく入ってみた食堂で、周りの人がみんな食べていた、焼いたいわしと茹でたじゃがいもとヴィノ・ヴェルデを頼んで、その美味しさに感動したこと。

オットがどうしても行きたがったポルト博物館(だったと思う)を地図を頼りに探して夜中歩き回って、ちょっと怖い通りに迷い込んじゃったりして、心臓がバクバクいったこと。

ありえないほどの土砂降りに降られて、街をぶらぶらすることも出来ないくらいの雨だったから、音楽博物館(のような所だったと思う)で若者たちのクラシックの演奏を聴いて、休憩時間に気取ってスパークリングワインなぞ頼んでみたこと(でも休憩が短くて、ほとんど一気飲みになったこと)。

などなど、どうでもいいようなことばかり。

あー、またどっか行きたいなー...
ベルリンとか、プラハとか。国外は無理でも、せめてパリで映画を見たり、美味しいビストロに行きたいなあ。

と、うずうずするのだけれど、今冬か今春には日本に遊びに行きたいので節約しなきゃー!と自分に言い聞かせています。

冬時間になって、日が落ちるのが早くなってちょっぴり憂鬱で寂しいロワールより。
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by maisey | 2010-11-05 03:59 |

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