人気ブログランキング | 話題のタグを見る


ワインおたくの夫と食べること大好きな妻の貧乏暇無し日記。フランス・ロワール地方でぶどうの有機栽培とワイン醸造に挑戦しています。


by maisey

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

お母さんぶどう、赤ちゃんぶどう

ぶどう園ではこのような光景を目にすることがあります。
お母さんぶどう、赤ちゃんぶどう_c0188527_1045777.jpg

これは健康で成熟したぶどうの木の枝から新しい木を作るプロセスです。
お母さんぶどう、赤ちゃんぶどう_c0188527_104793.jpg

↑写真左の木から長い枝をU型に地面に埋め、新しい木を育てたい場所(写真右の緑のテープのあたり)から枝の先っぽを地面から上に伸ばします。

枝には10cm間隔ぐらいでつぼみがついていて、土に埋まったつぼみからは根がでます。こうして地面に埋めただけの枝が根付いてやがて一本の木になるわけです。

このテクニックはmotheringと呼ばれています。母となる木が自分の一部から新しい生命を生み出すなんて、自然って面白いなあ、と当たり前のことに感心したりする、今日このごろです。
# by maisey | 2009-02-21 10:08 | カナダの日々

瓶詰め

毎日7時に起きて一日仕事して夜は疲れて10時には寝てしまう...これを5日も続けられるのはその後に待ちに待った週末が来るからなのですが、週末は週末で忙しく、ちっとも休んだ気がしないまま月曜を迎えなければいけないのは何故なのでしょう...

先週の日曜日、オットが自分の学習・実験・楽しみ目的で樽ひとつ分作ったワインの瓶詰めをしました。
瓶詰め_c0188527_1456516.jpg

オットはココファームに勤めていた頃、スタッフの飲み会でイタリアのフリウリ地方のRadikonというワインに出逢いました。ドライイーストを加えずに、ぶどうそのものから天然酵母を引き出して発酵させるため、白ワインのぶどうを赤ワインのように皮ごと発酵させて皮に由来する酵母を最大限に抽出するそうです。

作り方はもちろん独特ですが、出来上がったワインも独特。果皮の色素でオレンジがかった色に、白ワインのような赤ワインのような味わい。これにすっかり魅了されたオットは2年前に自分でも作ってみたのです。当時勤めていたワイナリーからピノ・ブランをお裾分けしてもらい、2週間皮ごと発酵させ、(私も週末狩り出されて)プレスでジュースを絞り出し、その後16ヶ月オーク樽で眠っていたこのワインを瓶詰めする時がついに来ました。

樽ひとつ分というと、大体ボトル300本分、つまり25ケース程のワインが出来ます。樽は今までお友達の倉庫に置かせてもらっていたから良いけど、瓶詰めしてしまったら25箱も家のどこに置くんじゃー!という感じです。でもスペースは「何とかする」と言う本人を信じて、取りあえず瓶詰めをやってしまおう、と言う事になりました。
瓶詰め_c0188527_14425419.jpg

やり方は至ってローテク。樽にサイフォンという管を差し込み、圧力差を利用して、ワインを樽内の液面よりいったん高い所へ導いてから低い所にある瓶に移します。量が少なければカップにあらかじめ取っておいたワインを目分量で注ぎ足し、多ければカップに注ぎ出して、昔ながらのコルカーでコルクを入れます。
瓶詰め_c0188527_14554734.jpg

私はワインを瓶に注いでいる間によそ見をして何度か溢れさせたりしたことから、途中からコルク係に抜擢されました。結構力がいるので全体重をかけてレバーを下ろします。
瓶詰め_c0188527_1524079.jpg

お友達の猫も何やってんだ、と見つめています。

4時間半ほどで瓶詰めは終わりました。結局250本程出来ました。取りあえず半分は家に運んできて、後半分は少しの間お友達の倉庫に置いてもらうことになりました。

そんなこんなで貴重な日曜日もあっという間に消えてしまったので、夕飯はシンプルなものに。トロの刺身、キュウリとワカメの酢の物、そしてquesoさんのブログで見て絶対作ろうと決めていた鶏手羽元と白菜のスープ。
瓶詰め_c0188527_15113083.jpg

そして瓶詰めしたばかりのピノ・ブランで乾杯!(なんだか刺身の写真がとてもグロテスクですね...)

カリンのような、フィグのような、抑えたフルーツの香りと香ばしい樽の香りが意外にもお刺身に良く合います。
スープも美味しいし、幸せ...

こうしてあっけなく終わってしまった週末でした。さて、次の週末に向けて、今週もがんばろー!
# by maisey | 2009-02-17 14:28 | カナダの日々

セント・バレンタインズ・デイ

今年のバレンタインは外食もしなければスイーツを作りもせず、バレンタイン「らしい」ことはしなかったのですが、クロスカントリースキーをしてきました。

2回目のトライにも関わらず調子に乗って中級者コースに行ってしまい、何回も転びました。道がいきなりジグザグになるんだもの...曲がり方も分からないのに...

それでも数時間体を動かした後のお昼ごはんは格別。保温容器で持って行った前日の夕飯(牛肉のシチュー)も雪の上、青空の下で食べると特別美味しく感じます。

ちなみに夕飯はオットがお好み焼きを作りました。ネギ、キムチ、チーズの3種をお手頃で美味しいハンガリーのスパークリングワインと一緒に...んー、うまい!
セント・バレンタインズ・デイ_c0188527_13371722.jpg

一応バレンタインを意識してマヨネーズでハートを描いてみたり...

家中煙がモクモクで油臭くなってしまいましたが、こんなアンチ・ロマンスなバレンタインも楽しかったな。
# by maisey | 2009-02-16 13:47 | カナダの日々

この土地ならでは、のお料理の仕方

私たち夫婦の理想の生活は大きすぎない土地にぶどう畑を作って、敷地内の古くて大きい農家をリフォームして住む、というようなことなのですが、まさにそのような生活をしているお友達夫婦の家に週末、招待されました。
この土地ならでは、のお料理の仕方_c0188527_8422528.jpg

このお友達夫婦は美味しいものとワインが大好きなふたりで、1年ほど前まではパン屋さんをやっていました。2人目の娘さんの誕生と同時にお店は手放し、2ヘクタールの土地を買い、今年ぶどうを植える準備をしています。

だんなさんはマスター・オブ・ワインという、ワイン界での最高峰の資格での実技試験までパスしているので、今は研究論文に取り掛かっている最中です。その他にもワイン教室の講師をしたり、テイスティングをコーディネイトしたり、いろいろ忙しいのにこれからぶどうを植えて週末農夫をやるみたいです。いつ寝てるんだか...

料理教室に通っていたおふたりなのでお料理もすごく上手。この日のメニューはブイヤベースを魚介ではなくて鶏肉でアレンジした一品でした。rouille(ニンニクと唐辛子がきいたソース)を塗ったバゲットを浮かべていただきます。
この土地ならでは、のお料理の仕方_c0188527_1010048.jpg

写真は取り忘れてしまったのですが、私たちはスロバニアのMoviaというワイナリーのピノ・グリジオを持って行きました。白ワインだけど赤ワインのように皮につけて発酵されたこのワインはリンゴのようなさわやかな味にほどよい樽と赤ワインのような渋みが加わってとても美味しかったです。

鶏肉ブイヤベースもかなり美味でした。地中海で豊富に採れる魚介をたくさん入れたのがプロヴァンス名物のブイヤベースですが、私たちは海から遠いのでこのへんで簡単に手に入る鶏肉を使った、まさに内陸のブイヤベースのアイディアには目からウロコでした。

私も「こうでなければいけない」といった考えに捕われないで柔軟に料理が出来たらいいな、と思いました。
# by maisey | 2009-02-11 11:34 |

妄想の食べ物

妄想の食べ物_c0188527_4534281.jpg

本や映画に出てくる食べ物にとてつもなく想像力をかきたれられ、どーーーーしても食べてみたくなることってありませんか?

私はよくあります。

小学生のころは「赤毛のアン」に出てくる「さくらんぼの砂糖漬け」やアンが親友のダイアナにイチゴ水と間違えてぶどう酒を飲ませてしまった、というエピソードの「イチゴ水」という響きに心を揺さぶられました。

ここ数年では「塩豚とレンズ豆とロゼワイン」というのが食べてみたい本の中の食べ物ダントツ1位でした。Anna Gavaldaの話ばかりして、本当に引き出しの少なくて恐縮ですが、この著者の短編集"I Wish Someone Were Waiting for Me Somewhere"(原題"Je voudrais que quelqu'un m'attende quelque part")の中の一話に登場するメニューです。

私はこの短編集の第一話目が特に大大大好きで、語り手の主人公が朝、通勤途中にサンジェルマン・デ・プレ界隈でハンサムな男性にナンパされ、仕事の後、ディナーに誘われます。彼女は一日中緊張と期待でそわそわしますが、約束の時間に少し遅れて行こうと仕事の後バーに入ります。

カウンターの男たちが彼女のスカートからのびた長い脚をちらちら見て「まるで男子学生のようにけらけら笑う」中、テレビに映る競馬を見ながらタバコを吸う主人公。約束をすっぽかしてこのままここにいようか...塩豚とレンズ豆にロゼのハーフカラフ...ああ、それって良いかもなあ、と思うのです。

そして読み手の私も、ああ、それってすごく美味しそう、と思うのです。
恋の予感に背を向けてしまいたいくらい美味しいんだろうなあ、と。

メニューとして一体どんなものか分からなかったのですが、この組み合わせが頭から離れなくなり、実は私がオットと付き合い始めた頃、これを作ってくれ、と注文したことがあります。食べたことも見たことも聞いたこともないメニューにしてはがんばってくれましたが...うーん...たぶん違う気がしました(笑)。

つい先日この組み合わせを思い出し、再びどうしても食べたくなってしまいました。そこで日本語で「塩豚 レンズ豆」と検索してみると、「塩豚とレンズ豆の煮込み」というフランスの家庭料理が出てくるではないですか!Petit sale aux lentilles...これに違いない!
妄想の食べ物_c0188527_14192043.jpg

作り方は簡単。ニンニク、香味野菜、ローリエと黒こしょうを炒め、塩豚と水を鍋に加え、弱火でひたすらコトコト煮ます。2〜3時間コトコトして豚がほろほろになったらいったん取り出し、レンズ豆を加えて20分くらい煮る...そんな感じ。

ニュージーランドのロゼもわざわざカラフに入れて、その日焼いたライ麦パンと一緒にいただきまーす!
妄想の食べ物_c0188527_4304341.jpg

トロトロの塩豚と煮くずれしにくいDuPuy lentilsという青緑のレンズ豆の食感が合う!豚の脂の甘さとさっぱり軽めのロゼも合う!

色気より食い気...?塩豚の脂身と恋の予感だったらどっちの方が甘いだろうか?
私だったらどうだろう...塩豚とレンズ豆の煮込みとロゼワインの誘惑に勝てなかったかもしれません。
# by maisey | 2009-02-08 04:57 |

カテゴリ

全体
自己紹介
ぶどう畑・春
ぶどう畑・夏
ぶどう畑・秋
ぶどう畑・冬
醸造
ワイン

フランスの日々
カナダの日々
日本一時帰国

レシピ
土地さがし

以前の記事

2012年 01月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 06月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月

タグ

(25)
(9)
(4)
(4)
(4)
(3)
(1)
(1)
(1)

最新のトラックバック

お気に入りブログ

うちの食卓 Non so...
ばーさんがじーさんに作る食卓
VINO! VINO! ...
ジェイクnoチカラ
べルリンでさーて何を食お...
カンパーニュに恋して

お気に入りリンク

検索

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧